自動車を所有するということは、ただ走らせるだけでは終わりません。愛車のパフォーマンスを向上させたり、時にはその外見を変えたくなることもありますよね。しかし、そういった変更を加える際には、「構造変更」という手続きが必要になることがあります。では、構造変更とは一体何なのでしょうか?
この記事では、構造変更とその手続きにおけるメリットとデメリットについて、やさしく解説します。また、「改造届出」とは何か、そしてどのような変更であれば継続検査の範囲内で受けられるのかも解説します。そして、手続きに必要な書類についても触れていきます。
自動車に関わる変更を考えている方、特に変更を加えた後もスムーズに愛車との生活を続けたい方は、ぜひこの先の内容にご注目ください。構造変更があなたと愛車の関係をより豊かにしてくれるかもしれません。
構造変更とは
正式には「構造等変更検査」
車検証に書いてある内容と現車が変わっていて、保安基準に影響がでそうな時に受けなければいけない検査のことです
主なところで以下の箇所が車検証と異なっている時は、構造等変更検査を受けることになります
・自動車の長さ、幅又は高さ
・車体の形状
・原動機の型式
・燃料の種類
・自家用から定員11人以上の事業用
・用途
・乗車定員又は最大積載量
構造等変更検査のメリット、デメリット
メリットは、自分でカスタマイズした車で公道を走れること
デメリットは、手数料が上がったり受けられる場所が制限されたりなどがある
継続検査との違いを上げてみました
・検査手数料が300円高くなる
・検査を受けられる場所がナンバーの交付された所に限定される
・有効期限がどんなに残っていても検査日から1または2年となる
・重量税や自動車税、自賠責が変わる可能性がある
・ナンバーが変わることがある
その場合は、所有者の委任状がいるしナンバーの交付費用もかかる
・変更した箇所によっては改造届出をあらかじめしなければならない
紙の車検証のときは、型式期指定番号と類別区分番号の欄が構造等変更検査を受けると空欄になった
そして、標準に戻しても空欄のままだった
これで過去にカスタマイズしたかどうかを予測できたが、電子車検証になって紙の欄から消えている
今後、予測は困難になるかも(過去の使用状況が査定に影響するみたいだし)
改造届出とは?
いきなり現場で判断させると時間がかかりそうなことを、検査前に書面で自動車技術総合機構(検査場で実際に検査をしている人達、支局とは別組織)に保安基準に適合している(車検にとおる)かを判断する手続きである
図面や取り付けた部品が安全であるという担保を満たす資料などが求められて、審査に2週間以上かかります
もし手続きをするつもりなら、届出予定の事務所の担当職員に聞いて下さい
どのような変更が改造あたるかは書き出すとかなりの量になりますので以下を参照して下さい
自動車技術総合機構 審査事務規程 別添4 改造自動車審査要領
審査が通過すると改造自動車審査結果通知書がもらえます
今は車台番号が指定されていて使い回しができないようになっています
昔はそれがなかったから、通知書を保管している業者がいるはず
使い回せるかどうかは、業者に聞いて下さい
まず無いと思うが、改造をやりすぎると「組立車」扱いとなり業者でも大変な手続きになるので注意
変更の程度によっては構造等変更検査を受ける必要がありません
軽微な変更なら構造等変更検査ではなく継続検査で受けられます
どの程度の変更ならですが
・簡易的取付方法(手で容易に脱着できる)で取り付けた部品
・固定的取付方法(工具を使って脱着できる)で取り付けられた指定部品
・恒久的取付方法(溶接やリベットで装着される)で取り付けられた部品で以下の範囲を超えないもの
長さ | 幅 | 高さ | 車両重量 | |
小型自動車 軽自動車 | ±3cm | ±2cm | ±4cm | ±50kg |
普通自動車 | ±3cm | ±2cm | ±4cm | ±100kg |
ちなみに、指定部品については
「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて(依命通. 達)」の細部取扱いについて
に書いてあります
ただ、分かりにくいので、こちらを参照したほうが良い
受けることになったら何が必要?
変更内容によって変わりますがこれらは必須です
・自動車検査証
・点検整備記録簿(受付の担当次第だが、変更後の用途に合わせた点検をした方が無難)
・自賠責
・使用者の委任状
こちらは場合によって必要になります
・納税証明書
・所有者の委任状
・改造自動車審査結果通知書
これらは、支局で手に入ります
・自動車検査票
・申請書(第2号様式は必ず使う。場合よっては他も使うことになるが、その時になれば職員から指示があるはず)
・手数料納付書
・自動車重量税納付書
委任状と点検記録簿は前もって書いておきましょう
他は検査が終わらなければ分からないから、ナンバーと車台番号辺りを埋めておけば十分
まとめ
自動車の構造等変更検査について、その概要からメリット、デメリット、改造届出の必要性、そして継続検査との関連についてご紹介してまいりました。
構造等変更検査を考えている場合、自動車の安全性はもちろん、法規制の遵守も重要です。必要書類の準備や手続きは少々面倒に感じるかもしれませんが、適正な手続きを踏むことで、愛車をより安心して、長く乗り続けることができます。
車への変更を検討する際は、この記事が参考になりますよう願っています。どうぞ安全と法令遵守に留意し、自動車ライフを楽しんでください。